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映画とドラマ 概要&あらすじ+好き勝手感想文

テレビやネットで視聴した映画とドラマの概要とあらすじ、そして好き勝手に書き散らした感想文です。

「グーグーだって猫である」(映画)好き勝手感想文「吉祥寺に住む人や動物たちを淡々と、空気感を大事に描いた作品だね!」

犬童一心監督は熱心な大島弓子ファン

大島弓子作品は「純文学」に匹敵する! 

 

この映画は、吉祥寺の街を舞台に、そこに住む人々や動物たちの暮らしを淡々と綴った作品です。原作は大島弓子さんの同名の漫画エッセイ。

 

大島弓子さんといえば、萩尾望都竹宮恵子山岸涼子らとともに24年組と言われる、少女漫画創世記を代表する漫画家です。

 

大島弓子さんの作品は、一見、おかしな思考を空回りさせる少女が少し妙な行動力を発揮してまわりを振り回すような展開が特徴です。でも読み終えてみると、哀しさや切なさ温かさがじんわりと響いてくるのです。特別なストーリーがあるわけでなく、日常的なくり返しの中からすっとすくいあげた事柄が綴られているだけなのに、何か大切なものを掴んだような、不思議な読後感なのです。そのおぼろに掴んだ読後の「何か」を、しばし胸に転がしてみずにはいられないような作品なのです。

 

他にこんな作品を描ける漫画家をわたしは知りません。

 

この稀有で不思議な漫画家の正体を、作家の保坂和志氏の著作「小説の自由」で探り当てることができました。大島弓子さんの作品は「純文学」なのです。ストーリーの面白さで読者をひきつけるのではなく、少し不思議ではあるけれど日常的な光景を描くことで、最後には全く新しい解釈を見せてくれる、とても上質な純文学なのです。

 

大島弓子さんの作品が誰にも真似できない理由が納得できました。

 

監督の犬童一心氏は熱心な大島弓子ファン

監督と脚本を務めた犬童一心は、アマチュア時代から大島弓子作品を題材に映画を作っていたほどの根っからの大島弓子ファンです。本作は、そんな監督ならではの作品といえます。

とりとめなく過ぎていく日常を描きつつ、最後にはもやもやと胸に残る「何か」を観客に伝えたくて作られたのでしょう。

 

大島弓子と吉祥寺の街の魅力をあますところなく表現!

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主人公「小島麻子」の名は、もちろん「大島弓子」をもじってつけられています。これを演じるのが小泉今日子。かつてのアイドルも、このごろではすっかり女優として定着していますね。

 

小島麻子はとても不思議な雰囲気をもつ女性です。大島弓子さんの漫画に描かれる自画像と同じ、もじゃもじゃの髪で化粧っ気はなく、いつもささやくように小さな声で敬語で話します。愛猫のサバが死んだときも大きな感情表現はなく、若い彼氏の青自といるときにも感情の乱れを感じさせません。いつもフワフワとして、あまり現実を生きているような雰囲気がありません。

 

小島麻子の表現は、監督としてはもっとも敬意を払ったところでしょうね。なにしろ大島弓子さんを表現しているわけですから。その現実感のなさが、映画全体の雰囲気を作っています。

 

もう一人の主役ともいえるのが「吉祥寺」という街そのものです。

 

吉祥寺は、全国住みたい街ランキングで常にTOPに君臨している人気の高い街です。漫画家が多く住む街としても知られています。映画の冒頭でも、適度に繁華街があり、そのすぐ近くには住宅街と大きな公園がある街だと説明されています。

 

ここに住む人々と動物たちの日々の生活を描くことで、街の空気感を描き出すことに力がそそがれています。わたしは数回しか訪れたことがありませんが、なるほど雰囲気はよく表現されているように感じました。

 

ユーミンワールドの再現はなかなか難しい!

大島弓子さんはニックネームを「ユーミン」といいます。そして、彼女の描く独特な世界はユーミンワールド」と呼ばれます。ユーミンファンの監督がユーミンワールドの再現を目指さないはずはありません。本作でも、その痕跡がしっかりと見て取れます。

 

スノッブな雰囲気をまとう小島麻子と、ユーモラスな味のあるアシスタントたちの日常を淡々と描きながらも、最後には「何か」を観客に残したいと奮闘したと思われます。見せかけはドタバタですが、芯に重いものを抱えながら展開する方式もユーミンワールドでよく見かける手法です。

 

でも、あまり上手く行っているとは言えません。

 

アシスタントの一人ナオミを演じる上野樹里の天然なひょうきんさが前に出過ぎていたり、小島麻子を演じる小泉今日子の演技が抑えたものになりすぎていたり、猫の役割が上手く絡まっていなかったり、それぞれの微妙な匙加減の結果、少しチグハグでとりとめのない印象の作品になってしまったように思います。

 

きっとさまざまな分配を苦労しながら煮詰めていったのでしょうが、ユーミン以外の人がユーミンワールドを描く難しさが如実に表れてしまったかな、というところです。

 

テーマは何?

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コミカルなドタバタを挟みながら、淡々と描かれていく小島麻子の日常には重いものが横たわっています。

 

まず冒頭で描かれるペット・ロス。

 

最愛のペットを失った後、すっかり気力を亡くしてしまった人々の問題は、少し以前に頻繁に取り上げられた問題でした。大切に思えば思うほど、ペットを失った悲しみは大きく、そこから抜けられない人は今もたくさんいます。

 

人の勝手でペットの性を奪うということ。

 

ほとんどの家猫は、避妊・去勢手術を受けます。むだに育てられない仔猫を増やさないためという意味合いもあれば、マーキングなどで部屋を汚さないためという意味合いもあります。でも、自然な姿ではないですよね。サバに避妊手術をしたとき、麻子はとても落ち込みました。グーグーのときは、グーグーが家を逃げ出しました。ついに麻子自身も病気により、子宮と卵巣全摘出手術を受けます。

 

それぞれの解決は?

サバを失った麻子は、新しい猫グーグーを迎えました。グーグーとの生活は楽しいけれど、決してサバを忘れたわけではありません。終盤の不思議な夢で、麻子は人間になったサバと会います。そこでサバは言うのです。

 

「とても楽しかった。

ありがとう。」

 

と。

大切なペットを亡くした経験のある人は、ここで間違いなく涙します。誰しも、そう言ってほしいと思っている言葉ですから。

 

サバにこう言ってもらえたことで、麻子は最後までグーグーをしっかり見守ってあげようと前向きになることができます。

 

そして、自分の勝手で性を奪ってしまったことや病気で自分が性を無くしてしまったことにも新作「8月に生まれる子ども」を絡めて前向きな解釈を与えます。性をなくしてしまうことで、それまでの自分ではなくなるけれど、それは決して悲しむべきことではない。むしろ、新しい自分に生まれ変わったのだと。

 

大島弓子さんも猫も大好きだけど・・・。

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わたしは大島弓子さんが大好きで、しかも子どもの頃からほぼ途切れることなく猫を飼っています。多いときには5匹いました。でも、じつは原作の「グーグーだって猫である」は読んでいません。

 

大島弓子作品の中で、猫がらみのものはあまり好きになれないのです。作者が猫が大好きなのはよく伝わるのですが、それ以上の何も受け取れないからです。他が珠玉の作品ぞろいのため、どうしても内容が薄く感じてしまうのです。

 

本映画も、なんとも中途半端な印象です。

 

確かに猫はかわいらしく描かれているけれど。

吉祥寺の街の魅力も伝わるけれど。

小泉今日子さんも大島弓子さんの雰囲気をよく演じているけれど。

 

全体に引っかかるところがなく、フワフワしたまま流れていき、最後に取って付けたように明るい曲でしめられてしまった、という印象です。大島弓子フアンで猫好きなわたしがこう感じるのだから、やはり他の皆さまのレヴューは厳しいものでした。

 

環境音楽のようなとりとめのない映画

映画館に足を運ぶ価値がない

 

といった言葉が並びます。

でも、本作の公開が2008年。この後2014年にドラマ版が公開され、さらに2016年にドラマ版パート2が公開されました。ドラマ版の主演は宮沢りえさんです。こちらの方はオリジナル・ストーリーということで、なかなか評価が高いようです。

 

機会があれば、ドラマ版をぜひ観てみたいと思います!

 

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オススメ度★★☆☆☆

監督さんが、ちょっと原作をリスペクトしすぎ、影響されすぎたかなーって思いますね!

「グーグーだって猫である」(映画)概要&あらすじ(ネタバレありといえばアリ)

グーグーだって猫である」概要

 

グーグーだって猫である」は、独特なタッチで一世を風靡した漫画家・大島弓子さんの同名の自伝エッセイ漫画を原作にした日本映画です。

監督/犬童一心

脚本/犬童一心

音楽/細野晴臣

製作/フィルム・コミッティ

公開/2008年

 

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